杉原美術刀剣研磨工房 (日本刀の研ぎ諸工作)

第11回短刀選集




個人的な好みでもありますが、短刀(小脇指)に絞って掲載します。
自身の研ぎもありますし、他の方の古研ぎもありますが、
写真、押し型の勉強を目的に短刀の魅力をお伝えしたいと思います。
短刀、寸延の短刀(平身の小脇指)は全身押し型が無理なく書け、
写真と比較しやすいので地刃の様子が理解して頂けるかと思っています。
第11回目は来年の1月に姫路の書写の里、美術工芸館で開催される
展覧会(兵庫の名刀展)に出品予定の平身の小脇差です。
会期が近づいてきましたら、詳しくご案内致します。

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脇差  銘     尼崎住藤原国幸






摂津国の国広直系の刀工は和泉守国貞、河内守国助そして国幸である。
国幸は二人より作刀数も少なく目立たぬ存在ではあるが良工である。
国広の晩年期の門人と考えられ、寛永初期に尼崎に移住した。
名鑑のよると二字銘の物があるらしいが、大体は尼崎あるいは
先住地の柱本(現在の高槻市)と住地が刻まれる。
嫡子や弟子の存在も調べてみましたが、二代や弟子の名は確認    できませんでした。


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本作国幸の脇差について




本作は幾分先反りが付いた平身の小脇差で、鍛えは堀川物特有の         
ザングリ感が見て取れる。カサカサした肌合いで板目に杢交じり、
地沸が厚く付いて良く詰み綺麗。刃文は沈みごころの直刃で新刀期の
帯状の刃文とは違い古風な構成である。私感では地刃とも大隅掾正弘
に近く、特に刃は小沸が付き刃縁がほつれやや締まり気味で明るさも 落ち着いた点があるところも似ている。
国幸は年季の切られたものは少なく作品自体も比較的少ない。
本作は地刃とも欠点のない尼崎の地名の入った貴重な郷土刀です。

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