杉原美術刀剣研磨工房 (日本刀の研ぎ諸工作)

刀剣研磨に用いる砥石について


現在では、人造砥が飛躍的に進歩しています。金剛砥ひとつとっても、さまざまな種類があります。内曇砥、鳴滝砥以外の砥石はなんとか代用できる所まできています。しかし天然砥石に勝る砥あたりの良い物は少ないです。 私の工房では今でも多くの天然砥を使っています。
仕事場は内曇砥の産地の大平に比較的近く、また京都から天然仕上げ砥石がいろんな種類、産出されます。

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  備水砥



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常見寺砥、伊予砥と産出されなくなり備水砥、天草砥が使用されるようになりました。
備水砥は、結構あたりはずれがあり硬さもそれぞれで、針があるのでよい砥石は貴重です。
硬めの良い砥石を軽めの整形に用います。


  改正砥



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山形で産出されていたようです。良質のものが取れなくなりかなり前に閉山しました。茶色の物もあります。この水色の天然の改正砥は父の仕事場に1丁あるだけになりました。写真撮影のため借りてきました。今ではこの砥石に変わる良い人造砥もできています。


中名倉砥



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三河産です。右に紹介する細名倉とは同じ所から産出しますただし出る層が違います。中名倉砥は下層の(あつ)という層からでます。名倉砥石の中では粗い砥石です。白い色や縞、茶系の物があります。名倉砥も閉山し現在は産出していません。
この砥石も針が多いものも多く、あたりはずれがあります。良い物は砥あたりも硬さも心地よいです。


細名倉砥



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名倉砥は多くの層(目白、天上、ボタン、アツ、コマ)などにわかれそれぞれ使用目的が違います。細名倉砥は(コマ)という層から産出します。名倉砥の中で一番細かく一番高価です。現在はこの砥石もなかなか手に入りません。白く形もいびつなものが多く独特な赴きがあります。


内曇砥



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京都の大平山から産出されます。京都天然砥石、仕上げ砥石の鉱脈は琵琶湖の西側から京都の亀岡を通り日本海に抜ける孤を描いています。その脈の中にさまざまな貴重な天然砥石が産出します。内曇砥はその中の1つに過ぎませんが、刀剣研磨において一番重要な砥石です。昔は山の2箇所相対する位置で採掘していました。片方は閉山していますがもう一方は現在も採掘しています。硬さ、利き具合によって刃引き用と地引き用に分かれます。地引きは刀にあった物が必要になるので硬さが違うものが数種類必要になります。またこの砥石は捨てる所がありません。手入れの時に使う打粉の粉は刃艶をつくる時にできる内曇砥の粉です。内曇砥は線が多く、原石からある程度の大きさに取れる率が、非常に低く貴重で高価な砥石になります。


鳴滝砥



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京都の梅ヶ畑から産出された硬度の高いよく詰んだ砥石です。それぞれの山で合砥がでていてこの砥層の戸前の木端を使用します。この地方の中心の良い山としてよく本山と呼ばれています。この砥石も現在、採掘されていません。この砥石は仕上げの時に使用します。木端を目に沿って割り青砥でさらに内曇砥ですり一枚を親指の爪で割り細かくして使用します。

刃艶
(内曇 木端)



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内曇砥は鉄分を多く含むので、柾目には筋がでるため成型外の木端の部分が多くなります。しかし、刀剣研磨においてはこの木端を使って重要な刃艶を作ります。内曇砥は層理をなしているので、鏨を用いて薄く割り、さらに荒砥で薄くすり、吉野紙で裏打ちします。              (コラム参照)


青砥



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亀岡の地底から花崗岩が隆起して出来た泥質の砥石で、丹波(京都)の青砥として一般的に有名な砥石です。よく包丁とぎに使われます。
刀剣研磨においては、(刃艶、地艶)をさらに薄く整形し表面を滑らかにするために使用します。


大村砥



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天然の荒砥で、もともとは長崎の大村が産地ですが現在は産出しておらず、和歌山の目透砥が大村砥として流通しています。現在では刀の荒砥としては使用せず、刃艶を作る時に木端を薄くするための荒砥して使います。

20・9/8
先日、京都にて昔から探しておりました大型の大村砥を 手に入れました。この和歌山産の大村砥も現在は産出して おらず、大型はなかなかありません。次の艶すりが楽しみです。
現在は艶すりにも人造砥を使用できますが、打粉の粉として砥汁を使いたい為、天然の大村砥を使います。


対馬砥



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黒名倉ともよばれ長崎産です。海中からも取れるそうです。
いまではこの砥石もとれません、この写真の1寸角の表すりも昔の5倍くらいの値段になっています。
またこの砥石の粉末をつかって指し込み研ぎの拭いに使用する事もできます。対馬拭いといわれる所以です。